マンハッタンの片隅の、気さくな学際交流会

【6月】勉強会開催

2015年06月26日 19:00

【6月】勉強会を開催しました。

麻生和義氏(Tri-TDI創薬化学」

「創薬化学」と聞いて、皆さんはどのような研究内容を思い浮かべられますか?
読んで字のごとく「薬を創るための化学」です。
「作る」ではなくて「創る」です。
私のような製薬会社の研究所で働くケミストは、有機合成化学のスキルと知識を駆使して化合物を合成する(作る)ことを1つの仕事としていますが、研究の大きなウエートを占めるのは、将来、薬となる化合物を様々な手法を使ってデザイン(創造)することです。
Drug Design という単語を聞かれた方も多いかと思いますが、「創薬化学者」はまさに Drug Design を行う薬のデザイナーなのです。
本発表では、創薬の基本的な考え方や知見を紹介するとともに、具体的な drug design の事例も交えながら、薬創りの現場を紹介させていただきます。
 
 

岡澤剛起氏(NYU)「脳の解く計算式」

日常生活において我々は何の不自由もなく目の前の物体を視覚的に識別していますが、これは思ったよりはるかに困難な課題で、機械に画像処理をさせてもヒトのような識別性能を出すことは大変困難です。
その理由の一つとして、周りの世界が目の網膜上に投影された時点で膨大な情報を失っているという点が挙げられます。
ヒト視覚系は足りない情報を上手く推定することで解を導き、認識を成立させているのです。
本発表では、いくつかの面白い錯視を紹介しながら、この視覚の仕組みについて私の研究も含めた心理・生理学的な知見の一旦を説明します。
 

ご講演ありがとうございました!

 

6月度より、宮田潔志(Columbia, Chemistry)がJASS幹事を引き継ぎました。
よろしくお願いいたします。